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［ 作品タイトル ］昭和の大蛇
［ 作　者　名］ファンキーミウラ

工芸（段ボール、和紙、障子紙、フェルト、縄、針金、布、芯）
縦76×横50×奥行35cm、3000g

［ 講　評 ］

子供の頃、秋まつりで明け方まで眠い目をこすりながら待っていたクライマックスの演目「ヤマタノオロチ」。神社でかぶりつきながら観ている子供達の声やおはやし、酔っ払いのおじさんたちの声、まさに昭和の秋まつりの風景を連想する立体作品である。ひとつひとつのパーツは色々な素材（布、和紙、刺しゅう等）が使われ、高度な技術を要した作品になっている。昨年、Web展に出品された神楽の衣装を着た「猫」から、今回は神楽の舞台へと作品の挑戦が続いている。次回どんな作品が出品されるのか楽しみである。(髙岩綾子)

［ 作品タイトル ］Breathe back
［ 作　者　名］柏原佑佳

絵画（キャンバス、油彩）
縦45×横53cm

［ 講　評 ］

生命の躍動感が伝わる力強い作品である。
羽根を大きく広げ、今にも飛び立とうとしてる赤い鳥を中心に、動物や花々が色彩豊かに描かれており、作者の感情の豊かさを物語っている。
赤い鳥が地球環境を復活させるような壮大なイメージを、いだかせる作品である。（大下弘之）

［ 作品タイトル ］国土交通規制車
［ 作　者　名］舟木伸夫

絵画（画用紙、ボールペン）
縦41.5×横57.5cm

［ 講　評 ］

高速道路走行中に目にする黄色い規制車が黒一色で表現され、マジックとペンが併用されることで、作品としての強度が増した絵画となっている。作者の並々ならぬ車への愛が感じられるが、余白部分に石野真子などの言葉が書かれているのも興味深い。（櫛野展正）

［ 作品タイトル ］未来水族館
［ 作　者　名］鹿島大佑

絵画（筆ペン、イラストマーカー）
縦54×横38cm

［ 講　評 ］

一点透視図法の構図と、絵の具とペンを組み合わせた鮮やかな色彩によって、作品内部に引き込まれる作品である。所々に見え隠れするカラフルな動物の配置が、シンメトリの画面全体にリズムを与えている。描かれている空間は、タイトルにもあるように未来的で機械的である。これからも我々の生活は益々速いスピードで進歩をとげるだろう。しかし変わらない物もある。それは命が生まれ、子どもは大人にあこがれ成長し、思春期には恋をして、やがて命をつなぐという大切な事実。描かれた魚の周りに小魚が群れている様子に、どのような時代になったとしても、決して変わることのない大切な事への思いが込められているように感じられる。（福井一尊）

［ 作品タイトル ］ともだち達
［ 作　者　名］山本千代子

絵画（ケント紙、色鉛筆）
縦54.5×横79.3cm

［ 講　評 ］

パッと作品を観た時、ピンク色をさした色が目を引く作品である。ともだち達がダンスをしているような、都会の雑踏の中で人々がすれ違っているような想像を掻き立てる。あえて顔の表情を見えないように塗りつぶして人の形の輪郭だけでキャンパスいっぱいに描かれた作者の独自の描き方が個性となっている。（髙岩綾子）

［ 作品タイトル ］山陰地方の要部での四季折々の風景
［ 作　者　名］清水修二

絵画（スケッチブック表紙、水彩ペン、ボールペン）
縦17×横24cm

［ 講　評 ］

3枚の絵と、カラフルな土台、そして２枚の文字情報板によって構成された立体作品である。3枚の絵には、山陰の風景を独自の捉え方で切り取り、組み合わせて、それぞれの画面を作り上げている。モチーフは山陰の名山や五重塔などであり、マジックペンが巧みに用いられている。平面と立体、そして文字が、見る者の中で融合し、山陰の空気感さえ感じさせてくれる。美術の枠から解き放たれ、アートの自由さと、豊かさを軽やかに感じられる作品である。（福井一尊）

［ 作品タイトル ］ぼくとともだち
［ 作　者　名］舩津丈志

傘
直径80㎝の傘、柄の部分70cm、200g

［ 講　評 ］

傘をキャンバスにして表現することに驚きと芸術の多様性を感じる。
傘の各面に笑っているキャラクターを配置することで、傘をさしている自分も楽しくなるし、まわりの人々も思わずニッコリする作品である。
アートの表現には限りがない、と思わせる自由な発想の作品である。（大下弘之）

［ 作品タイトル ］ねこと花の森
［ 作　者　名］横田佳代子

手芸（シャツSサイズ　刺しゅう糸）
縦74×横140cm

［ 講　評 ］

それぞれのモチーフの造形や配色が魅力的で、独自の世界が表れている。過去にも刺繍作品を出品していたが、今作にはシャツという衣服ならではの、上下左右、裏表の配置のバランスが図られているように見受けられた。（川西由里）