[ 報告と御礼 ]伝わる展示のつくり方

 さわやかな秋晴れのもと、観光客も少しずつ増えていく心地よい季節の中、島根県民会館 第1・2多目的ホールにて、「伝わる展示のつくり方」のセミナー&ワークショップを開催することができました。当日は10名の参加者があり、熱心に楽しく一日の学びを深めることができた時間でした。

 アートベースしまねいろが、令和2年度より障がい者アート作品展を運営する中で、アート作品づくりを支援する関係者の皆さんは、完成した作品に対して基本的な額装に関する知識やスキル、絵画や立体作品の見せ方について、学びたいけれどもどこに行けば学べるのか、知りたいのではと感じていました。

 令和4年5月に鞆の津ミュージアムの企画展「きょうの雑貨」の視察と津口さんらと意見交換を行いました。しまねいろの感じている現状や思いを受け止めていただき、今回の企画実施となりました。

 前半は、鞆の津ミュージアムの活動の様子について、たくさんの資料や写真、エピソードを交えてお話をいただきました。障害の有無や知名度にかかわらず、その人の人生にねざした独自の創作的表現や背景、その人の楽しみや幸せを感じて伝えていくミュージアムの活動やねらいは心揺さぶるものでした。
 後半は、展示を行う際に知っておきたいことを学び、さらに「展示をつくる」を体験しました。単純に展示するとはいえ、見る高さの設定や配置決め、キャプションを作ること、見る人にどう伝えていくかをすごく考えさせられる貴重な体験でした。参加者、しまねいろスタッフとも、当たり前にきれいに並んでいるようにみえる展示造作の裏側にもいろいろな調整や工夫や配慮があることを学びました。

 今回のセミナー&ワークショップを一過性のもので終えるのでなく、毎年継続して学びの機会を提供したいと考えています。このたびの初めての企画にも関わらず、参加して下さった福祉サービス事業所等の支援関係者の皆さん、そして講師・アシスタントを引き受けてくださった、津口さん・三宅さん、本当にありがとうございました。このご縁に感謝しながら、また次回、楽しみにしてくださる支援関係者の皆さまとの出会いや交流を待ちわびながら報告と御礼とさせていただきます。

ご報告

日  時 | 令和4年10月15日(土)
会  場 | 島根県民会館 第1・2多目的ホール
主  催 | 島根県障がい者文化芸術活動支援センター アートベースしまねいろ
講  師 | 鞆の津ミュージアム キュレーター 津口 在五 氏
       アシスタント 三宅 良子 氏
参加者数 | 10名